主なドライブルート
シャルトルのノートルダム大聖堂
ステンドグラスで有名な世界遺産の大聖堂を訪れる
美しい建築芸術を見るためにレンタカーを借りるのも素晴らしいドライブ体験です。シャルトル(Chartres)はフランス中部に位置する都市で、古くから司教座が置かれた歴史ある街。豊かな穀倉地帯に囲まれた中世都市を見下ろすのはゴシック建築の傑作として知られるノートルダム大聖堂。 シャルトルのノートル・ダム大聖堂は11世紀に建てられました。当初はロマネスク様式を基調とした初期ゴシック様式の聖堂でしたが、1194年に発生した火災で大部分が焼失。その後世紀をまたいだ1220年にゴシック様式で再建され、ロマネスク様式とゴシック様式が共存した独特の造りになりました。わずか30年で再建されたシャルトルのノートルダム大聖堂は、貴族たちの献金と市民による無償の労役によるもので、西洋文明が生み出した最高傑作のひとつとされています。形式の全く異なる2つの尖塔を備えたその姿は現在も見ることができ、1979年にユネスコ世界遺産に登録されています。
深みと濃さを併せ持つ「シャルトル・ブルー」を見る
見所は「王の扉(Portail Royal)」と呼ばれる聖堂西側ファサードにある彫刻で、ロマネスク彫刻の傑作と言われています。12世紀末の火災を逃れたその扉には細長い彫刻が施され、キリストの降臨・栄光・昇天を表しています。また12、13世紀のステンドグラスの窓が172も残っており、ヨーロッパで最も貴重なステンドグラスが揃っています。中でも有名なのは13世紀以前(1150年頃)に造られた3つの窓で、西の入り口の上に置かれています。その深みを湛えた美しい青色は「シャルトルの青(bleu de Chartres)」と呼ばれ、多くの旅行者を魅了しています。
大聖堂建設のきっかけとなったヴェール
また聖堂内には様々な聖遺物が安置され、特にイエス・キリストが誕生したときに聖母マリアが身にまとっていたとされる「聖母のヴェール(Sainte Voile)」は多くの巡礼者を惹きつけ、大聖堂の建築と拡張に貢献しました。もともとは東ローマ帝国の所有物でしたが、フランク王国のシャルルマーニュ王が802年に東ローマ帝国の女帝イレーネに結婚を申し込んだ際に、イレーネからシャルルマーニュに贈られ、その後876年に禿頭王シャルル2世によってシャルトルに寄贈されました。シャルトル大聖堂が建設されたのは、このヴェールが1194年の火災を奇跡的に免れたからだといわれています。現在は大聖堂の形を模した聖遺物箱に納められ、東側廊に続く小さな礼拝堂に展示されています。
美しい眺めが楽しめる鐘塔とフランス最大級の地下聖堂
大聖堂内にはステンドグラスや聖遺物以外にも是非訪れたい魅力的な場所があります。新鐘塔(Clocher Neuf)は大聖堂に付属する高さ112mの塔で、北塔(Tour Nord)とも呼ばれています。以前は木製の尖塔でしたが、1507年〜1513年にフランボワイヤン式ゴシック様式の尖塔として再建されました。塔の長いらせん階段を上ると、地上70mの高台から素晴らしい眺めが楽しめます。入り口は大聖堂の書店の裏手にあります。1024年に造られた墓のないロマネスク様式の地下聖堂は、フランス最大規模の地下聖堂です。ここでは30分間のガイド付きツアーを利用することもできます。800年以上前の貴重な建築芸術と聖遺物を見にパリからレンタカーで出かけてみませんか?
シャルトル旧市街を歩く
中世より保存されてきた旧市街を散策するのもシャルトル観光の楽しみの一つ。シャルトル旧市街は大聖堂の南側にかけて、ウール川の西側の分流沿いに広がっています。ウール川の分流には多くの歩道橋が架けられ、川辺の散歩に最適です。見どころは中世の街並みが残るシャント通り(rue Chantault)、外壁だけが残された12世紀建造のサン・タンドレ教会(Collegiale St-Andre)、16世紀の建物が残るエキュイエ通り(rue des Ecuyers)、古い木骨造りの家が立ち並ぶラ・ポワソヌリー通り(rue de la Poissonnerie)などがあります。ウール川の中州にあるラ・タヌリー通り(rue de la Tannerie)とラ・フルリー通り(rue de la Foulerie)には道沿いに花壇や用水路が設置され、洗濯屋や製革屋などの川辺の仕事場が復元されています。旧市街の端にあるサン・ピエール広場(place St-Pierre)からは12〜13世紀に建てられたサン・ピエール教会(Eglise St-Pierre)を支える飛び梁を眺めることができます。もともとこの教会は7世紀に建てられたベネディクト派修道院の一部でしたが、街の城壁の外側に位置していたため、外敵の攻撃を何度も受けました。この教会に付随する前ロマネスク様式の要塞風の鐘塔は1000年頃に造られたもので、修道士たちの避難所として使われました。
次回のフランス旅行では、パリからレンタカーを借りて、シャルトルの素晴らしい大聖堂と旧市街を楽しんでみてはいかがでしょうか?
鮭の家を探してみよう
ラ・ポワソヌリー通りを散策するなら10〜14番地にある鮭の家(Maison du Saumon)に立ち寄ってみましょう。中世の雰囲気を今に伝える貴重な建築物で、この家の庇部分を支える横材には、名前の由来となった鮭や、大天使ガブリエル、聖母マリア、ドラゴンを退治する大天使ミカエルの姿が彫られています。現在この家はレストランになっています。
シャルトルからさらに足を伸ばして
シャルトルから1時間ほど南にドライブすれば、オルレアンに到着します。オルレアンはロワール河岸にあるジャンヌ・ダルクゆかりの街で、ロワール古城巡りの拠点。ロワール渓谷の自然を満喫しながら心地よいドライブをすることができます。
ドライブで立ち寄りたいシャルトルの観光スポット
- ノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre Dame)
- 11世紀に建てられた大聖堂。ロマネスク様式とゴシック様式が組み合わされたユニークな外観が特徴
- 住所:place de la Cathedrale, Chartres
- 国際ステンドグラス・センター(Centre International du Vitrail)
- 現代的なステンドグラスを展示する木骨造りの施設。大聖堂の北の入り口の前にある丘を下ったところにある
- 住所:5 rue du Cardinal Pie, Chartres
- 新鐘塔(Clocher Neuf)
- 大聖堂にある高さ112mのフランボワイヤン式ゴシック様式の尖塔。地上70mの高台から素晴らしい眺めが楽しめる
- 住所:ノートルダム大聖堂内
- 地下聖堂
- 1024年に造られた墓のないロマネスク様式の地下聖堂。30分間のガイド付きツアーが開催されている
- 住所:ノートルダム大聖堂内
- サン・ピエール教会(Eglise St-Pierre)
- 旧市街にある教会。7世紀に建てられたベネディクト派修道院の一部で、1000年頃に造られた鐘塔がある
- 住所:place St-Pierre, Chartres
パリからシャルトルへのアクセス
- 距離と所要時間:約90km / 約1時間20分
- 経由地:-
- エリア:パリ近郊
パリからシャルトルへのドライブルート(地図)
パリからシャルトルへのドライブルート(地図)