アルスナル港
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気持ちのいい港へ
バスティーユ広場からセーヌ方面に歩いていくと、船がたくさん停留した港が見えてきます。階段を下りて港に立つと、不意に水の匂いに包まれ、港町に来たような開放的な雰囲気になります。停泊している船のほとんどが個人所有のクルーズ船です。ここはパリの運河網の一部であるアルスナル港。セーヌ川とサンマルタン運河をつなぐ港で、パリ4区とパリ12区の境界線にあります。軍需工場があったアルスナル港の歴史
もともとアルスナル港は19世紀に貨物船の輸送用として作られました。16世紀から19世紀の間、この場所に武器を製造・保管する軍の工場があったことからArsenal(武器庫)と呼ばれるようになりました。19世紀から20世紀にかけては商業用の港として使われ、様々な物資が荷揚げされました。まだ車がなかった時代、物流の中心は船でした。港についた木材は近くの家具工房に馬によって運ばれたそうです。1983年に港は観光用に再開発され、アルスナル港の庭(le jardin du Port de l'Arsenal)がバスティーユ大通り沿いの貯水池の東河岸に造られました。港には177の船の停泊所があり、多くの船が停まっています。この港は貯水池としての役割も持ち、アルスナル貯水池(Bassin de l'Arsenal)とも呼ばれています。2017年にはセーヌ河岸公園(parc Rives de Seine)が新しく作られ、一部が美しい緑地となっています。「秘密の地下水路」へ!サン・マルタン運河に向かうクルーズツアー
港の隣にあるバスティーユ広場は観光でも有名な歴史的な広場。しかし、活気ある広場の下に地下水路があることはあまり知られていません。その水路こそ、港とサンマルタン運河をつなぐための通路なのです。地下水路を見てみたい人はツアー(運河クルーズ)に参加することでその地下世界を体験することができます。サン・マルタン運河への入り口でもあるアルスナル港から出発した観光船がバスティーユ広場の下の地下水路を抜けてサンマルタン運河を運航しています。水路の途中には地下聖堂があり、7月革命と2月革命で命を落とした兵士たちを祀っています。地上と水路の間にはところどころ丸い穴が開けられていて、そこから暗い水面に注がれる光が幻想的な風景を作り出しています。運河クルーズ「カノラマ」(Canauxrama)は土・日のみ運航。アルスナル港からサンマルタン運河とウルク運河を通って19区のラ・ヴィレット公園に到着する楽しい観光船です。途中では船を安全に通すための水門を開け閉めする様子を見られます。ゆったりとした時間の流れに身をゆだねて、セーヌとはまた違ったパリの船旅をしてみるのもいいですね。アルスナル港で自由な気分を味わう
港では何も考えずに気軽な散策を楽しみましょう。多くの人が川沿いの石畳で食事をしたり港を眺めたりして、思い思いの時間を過ごしています。振り返ればバスティーユ広場の高い塔が見え、パリの街中とは違った新鮮な景色を眺めることができます。人の多いパリから離れて、静かな散策を楽しみたい人におすすめの場所。静かな水の流れを眺めれば、パリが水に近い町であることを改めて思い出させてくれます。- パリ観光基本情報
- アルスナル港 / Port de l'Arsenal
- パリの観光地
- オープン(完成):19世紀(貨物輸送用)、1983年(観光用)
- 住所:Bassin de l'Arsenal, 75012 Paris
- 最寄メトロ:バスティーユ(Bastille)
- エリア:バスティーユ
- カテゴリ:パリの観光スポット
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アルスナル港へのアクセス(地図)
アルスナル港へのアクセス(地図)