パリ散策モデルコース
おすすめパリ散歩:マレ地区の美しい邸宅巡りとヴォージュ広場散策
最終更新日:
このモデルコースの概要
最新のブティックやカフェの多いマレ地区を巡るパリ散策コース。貴族の元邸宅だった美術館を巡り、美しい庭園で休む素晴らしい時間。パリで初めてできた公共の広場やユダヤ人街では名物グルメの食べ歩きも楽しめます。
マレ地区最古の館を見る
散策のスタートはメトロ7番線のポン・マリー駅から。オペラ駅から直通ですのでアクセスも便利です。メトロを出ると、シテ・アンテルナショナル・デザール(Cite Internationale des Arts)という芸術家の居住施設があります。その向かいにはセーヌ河が流れ、近くには17世紀建造の優美なポン・マリー(マリー橋)が架かっています。しかし今回はセーヌ河を渡らずにマレ地区へ向かいます。マレ地区はパリ人気の観光エリア。ル・マレ(湿地帯)の名前がつけられているように、かつては湿地だった場所に徐々に市街地が造られ、今では17世紀の貴族の館が残る美しい地区として知られています。オテル・ドゥ・ヴィル通りを歩いて行くと、小さなお城のような外観の建物が見えてきます。これはサンス館というマレ地区に残る最古の邸宅です。中世の建物としてはマレ地区で一番古く、その時代の雰囲気をよく残しています。サンスという名前は、当時強大な権力を持っていたサンス大司教から来ています。現在サンス館はフォルネー図書館(Bibliotheque Forney, 1961〜)として開放されています。図書館の名前は19世紀末に職人育成のためにパリ市に本のコレクションを寄贈した篤志家サミュエル・エメ・フォルネーから。彼の蔵書によって芸術・産業・産業技術の専門図書館がサンス館の中に創設されました。アートや装飾に関する本のほかに、ポストカードやポスター、フランスの国内外から集められた美術館のカタログなどが閲覧できます。館の前には庭園もあり、自由に休憩することができて便利です。ヴィラージュ・サンポールとパリ最初の城壁
次に向かうのはサン・ポール駅近くにあるヴィラージュ・サンポール。アートギャラリーやアンティークショップ、穴場のレストランがひっそりと集まった昔ながらの居住区です。観光地とは違った静かな雰囲気の中で散策を楽しむことができます。ヴィラージュとはフランス語で「村」という意味で、あたかもフランスの村に来たような雰囲気が魅力です。ヴィラージュ・サンポール辺りを歩いていると、不意に古いお城のような壁があることに気づくかもしれません。これは12世紀に造られたパリの城壁跡。1180年に即位したカペー王朝のフィリップ2世(尊厳王)は、イギリス軍の侵入からパリを守るために1180年から1210年にかけて堅牢な城壁を作りました。これがパリで初めて造られたフィリップ・オーギュストの城壁跡です。高さ10メートル、幅3メートルの頑丈なもので、見張り塔が60メートルごとに置かれていたと言われています。ルーヴル美術館の元になった要塞も、最初はこの城壁の一部でした。貴族の邸宅を改装したヨーロッパ最大の写真美術館
シャルルマーニュ通りを西へ向かい、フルシー通りを右折すると、次の目的地であるヨーロッパ写真美術館にすぐ到着します。ここはマレ地区の優雅な通りの一角にある写真専門の美術館。写真を発明した国フランスだけあって、そのコレクションは欧州最大級。現代写真1万数千点を所蔵し、常に訪れた人を驚かせる奇抜な展示を意欲的に行っています。現代写真だけでなく、昔の雑誌や写真をもとにした「写真の歴史」に関する幅広い常設展示もあって見応え十分です。その魅力は展示だけではありません。扱っているのが現代写真でも建物はかなり古い。ヨーロッパ写真美術館は18世紀の始めに建てられた貴族の館(エノー・ド・カントルブ館)の中にあり、歴史ある古びた階段を上がっているとなんだか貴族のプライベートなパーティに呼ばれたかのようです。屋内にはカフェやショップもあり、写真鑑賞後はゆっくりと時間を過ごすことができます。また美術館の入り口には「Niwa(庭)」(下写真参照)と題された美しい石庭があり、日本人にとっては少々心が和みます。ちなみに水曜の5時以降は入場無料となっているのでオススメ。写真好きにはたまらない美術館です。イスラエルの人気料理ファラフェルを食べ歩き
散策に疲れたら食べ歩きのグルメを味わってみましょう。ヨーロッパ写真美術館を北上してリヴォリ通りを渡ると、Pletzl(プレッツ)と呼ばれる地区に入ります。パリで最も有名なユダヤ人街で、ユダヤ人の教会シナゴーグやイスラエルの美味しい惣菜屋などがあります。ユダヤ関係の書籍の店も多い。そんなユダヤ人街で歩きながら食べられる料理として人気なのがファラフェルのスタンド。ファラフェルとはヒヨコ豆のコロッケとナスなどの豊富な野菜をピタパンで包んだイスラエル(中東)の料理で、ボリューム満点でとても美味しいです。ユダヤ人街のメインストリートとも言えるロジエ通りに何軒かあり、特に美味しいのがラス・デュ・ファラフェル(L'As du Fallafel)というお店で、緑色の外観が目印です。ファラフェルは1つ5ユーロ程度で、店員が見事な手さばきでピタパンに食材を詰め込んでいく姿は見ていて気持ちいいです。作家ヴィクトル・ユゴーも住んだヴォージュ広場
ファラフェルを買ったら次の目的地ヴォージュ広場へ向かいましょう。歩きながら食べてもいいですが、歩いて5分ほどのところにあるヴォージュ広場の芝生で食べるのもオススメです。ヴォージュ広場は17世紀貴族たちの集まったかつての王宮広場。四方をルネサンス様式の赤レンガの館に囲まれた美しい正方形の広場で、市民の憩いの場になっています。パリで初めて作られた公共の広場としても知られて、当時は「広場」と言えばこのヴォージュ広場を指していました。広場の気持ちのいい芝生に座り、パリジャンと一緒に日光浴をしながらファラフェルを食べてみてはいかがでしょうか。広場を囲む館の一角にあるロアン・ゲメネ館(Hotel de Rohan-Guemenee)は作家ヴィクトル・ユゴー(1802-1885)が住んだ家として知られています。2021年にリニューアルオープンしたカルナヴァレ美術館へ
ヴォージュ広場で休憩した後はフラン・ブルジョワ通りを西に向かいます。歩いて3分ほどのところにあるのが今回のルートの最終目的地カルナヴァレ美術館です。パリの歴史博物館として知られるこの美術館は、もともと1548年に建てられた16世紀ルネサンス様式の私邸(カルナヴァレ館)で、書簡作家セヴィニエ夫人(1626-96)の自宅でした。現在は先史時代から今までのパリの歴史に関わる絵画や彫刻、調度品など、フランスの首都パリの歴史を幅広いコレクションを見ながら興味深く学ぶことができます。美術館としての開館は1880年。パリ市が運営する美術館・博物館の中では最も古い施設ですが、2016年に工事のために閉鎖。4年間の修復を経て2021年にリニューアルオープンをしました。庭園と常設展は無料ですので、気軽に訪れることができるのも魅力。昔と今のパリを楽しく知ることができる「最古で最新の美術館」に出かけてみてはいかがでしょうか。カルナヴァレ美術館を訪れた後は、フラン・ブルジョワ通りをさらに西方面に向かってランビュトー駅へ。この通り周辺は最新のファッションブランドが集まり、ショッピングも楽しめます。日本のユニクロや無印のパリ店も出店しています。カラフルな工場のような外観が特徴のポンピドゥーセンターが見えてきたら今回のパリ散策コースも終わりに近づきます。今回ご紹介した美術館以外にもマレ地区には邸宅を改装した美術館が多くあります。パリに出かけたら、マレ地区で優雅なパリ散策を楽しんでみてください。
- パリ観光基本情報
- パリのオススメ散策コース
- コース内で紹介した観光スポット:サンス館、ヴィラージュ・サンポール、フィリップ・オーギュストの城壁、ヨーロッパ写真美術館、ロジエ通り(ユダヤ人街)、ヴォージュ広場、カルナヴァレ美術館
- 所要時間:約2時間〜3時間
- 利用メトロ:ポン・マリー(Metro name)
- エリア:マレ地区
- カテゴリ:パリおすすめコース
- 関連:パリの人気観光スポット
散策で通ったパリのエリア・スポット
パリ観光サイト「パリラマ」に関しまして
パリラマはパリを紹介する観光情報サイトです。パリの人気観光地からあまり知られていない穴場まで、パリのあらゆる場所の魅力を提供することを目的としています。情報は変更される場合があります。最新情報はそれぞれの公式サイト等でご確認ください。
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